古典技法を学ぶ

グリザイユ

油絵の具で、写実的な絵を描く際に必要な技法が『グリザイユ』になります。

簡単に説明するとグリザイユは、まずモノクロームで描きそれが乾燥してから、透明色をかけて行く技法になります。

実は学問にも流行り廃りがあって、学生を集める為に大学もその時代に合うと考えられるカリキュラムで授業の構成を行なっています。

そんな理由もあり、私が在学していた頃は伝統的な古典技法をしっかり学ぶことが出来ませんでした。

しかし、デッサンだけで写実性の高い絵を描くことは出来ません。かなりの遠回りになりましたが、グリザイユを独学で学ぶことになりました。その最初期に描いた作品です。

F4号キャンバスに油絵の具

枯葉を描いたのですが、良い勉強になりました。というのも、モチーフがうまく描けたとしても、影の付け方や背景の処理の仕方で絵の雰囲気が、全く変わってしまう為です。

写実で描くとモチーフが何なのか誰が見てもはっきり分かるので、いかにモチーフ以外の部分も重要であるかが理解出来ました。この作品も、何度も背景や影を描き直しています。

しかし、学びを続けている限りは前進出来ている実感を持てますし、それが苦しくとも楽しいものなのです。