春過ぎて
夏が始まる前に春の絵を
タイトルからだと百人一首で知られる持統天皇の御製、『春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山』を紹介するのが流れでしょう。緑の間に陽を受けた衣が、白く輝く爽やかな初夏の歌です。
このところ気温も高く夏の足音が高くなって来ましたが、その前に春の絵を。
ヘッダーに使っている絵になります。
何年も前、確か旅先の群馬県で撮影した写真をもとに描いた作品です。描いたのは数年前。
葉桜の先にこちらを向いた鳥がいて、急いでシャッターを切りましたが運良くフレームに収まってくれました。
アップロード出来る画像の容量が月間で決まっていて先日の山茶花同様、若干画質を落として掲載せざるを得ないので、微妙なグラデーションや細部は分かりにくいかも知れません。
しばらく記事を書いてみて容量が大丈夫そうなら、順次画質の良いものを再アップロードします。
画題の通り霞んだ様を表現する為に、一度きちんと描いた鳥の上から何度も薄く色を引いています。必要のある箇所は、更に上から描き直して絵にしていきます。
葉桜と書きましたが、植物が花を落とし葉色を濃くしてその姿を変えて生きる様に、人も変化を求められるのでしょう。
追うべき鳥は霞の中へ溶ける様に去って、代わりに幾つかの幸運に恵まれこうして絵を公に出来る様になりました。
だのに気がつくと鳥を探しているのです。他にかえることの出来無い美しい日々を彩ってくれたその鳥を。