日本人の教養として

長く必読の書とされて来た『左国史漢』

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしですが?

私はいつも通りの日々です。

今日は本のお話を。

 

ご本の好きな方はこの連休で、沢山の本を読もうと思っていらっしゃるか方も多いのではないでしょうか? 季節も良く、晴れ間が多そうなので屋外やカフェで読むことも出来そうですね。

 

日本人には長く教養の為に必読の書、とされてきた四つの本があります。それを総称して『左国史漢』と言います。ご存じの方も多いでしょうが、念の為ひとつずつ細かく書きますと、『春秋左氏伝』『国語』『史記』『漢書』になります。その中の『史記』のご紹介です。

徳間文庫 史記全8巻

前漢の人、司馬遷が書いた歴史書です。『左国史漢』の中でも、現代において最も有名かと思います。

史記』が何故色褪せずに読み継がれているのか。それはよく言われることですが、人間の典型が数多く描かれている為でしょう。 史記の中で司馬遷が書く人々の姿を通して、我々は沢山の人の思想、感情を学ぶことが出来るのです。

以前も書きましたが本はそれ自体が役に立つのでは無く、読んだ人の情緒を育てるものなのです。『史記』は司馬遷本人の感想、太史公評も書かれており後代の私たちがそれを読んだ時、より理解を深める役に立っています。 理解を深めることで読んだ個々人が、物語を咀嚼し心の滋養となり育まれるのが情緒になる訳です。

 

写真は徳間文庫版の史記全8巻です。抄本ではありますが読み易さ、入門書としてはちょうど良いかと思います。